ギリースーツ(Ghillie Suit)。それは敵地において周囲の状況に合わせ完全なる偽装すること。
人間のシルエットを消すことにより発見されにくくするためにその場にある草や木などを使うこともあります。アメリカ海兵隊にもスナイパー部隊がありオードナンスでも300着以上作ってきました。
ギリースーツカスタム・オードナンス製ギリースーツについてご紹介していきます。
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ギリースーツとは?
ギリースーツ(Ghillie Suit)とは主に敵地において身を隠さなければならない状態で着用される服飾類。スナイパーや偵察、強襲において使用されることが多い。
シルエットを隠し風景に溶け込ます必要があり春夏秋冬・土地々々に適応したカモフラージュを行わなければなりません。事前にギリースーツにジュート(麻縄)やカモネットを編み込むこともありますが敵地に赴いた際に即応でその場にある草や木々などを使用する場合もあります。
ギリースーツの種類
ギリースーツには様々な種類があります。
新規で作られたギリースーツ・戦闘服等をカスタムしたギリースーツ。
【関連記事】
ギリースーツ・ギリーフードについて。見えないカモフラージュ効果と実戦環境
アメリカ海兵隊ケミーギリーカスタムシリーズ
まず先に紹介するのはアメリカ海兵隊の戦闘服をカスタムしたギリースーツ。
アメリカ海兵隊ではスナイパースクール(スカウトスナイパー)が年に何度か開催され多くの海兵隊員が戦闘服をカスタムしていきます。
ちなみにアメリカ海兵隊では着用している戦闘服のことを「ケミー」と呼びます。BDU(バトルドレスユニフォーム)と言っても通じないのがほとんどです。
前置きはこのくらいにして早速見ていきましょう!
海兵隊ケミー上着
まずケミーの上着です。どのギリースーツにも言えるのですが偵察や狙撃は長時間任務になるため通気性がかなり重要になります。
ケミーのカスタムでは上着・パンツ・ブーニーそれぞれ生地部分をカットしメッシュに変更することで通気性を確保。
また、匍匐する際に擦れる肘・胸・腹部分にナイロン生地を縫い付け高強度に。
肘部分には衝撃から肘を守るために薄いウレタンパッドが入っています。
このように背中部分にパラコード(芯抜き)を縫い付けることでジュート(麻縄)やカモネットを自由自在に付け偽装することができます。
パラコード間隔は2インチ〜3インチでジュートの長さは個人差ありますが約15cm〜30cmの間で付けてる隊員が多いです。
次は袖部分。オードナンスらしい特徴が隠されています。
狙撃用弾入れを袖部分に配置することで不測の事態が起きた場合の補充用として活用されます。
弾数は7.62mm弾×5ラウンド、左右合わせると10発袖部分に仕込めます。また袖部分にはベルクロ装着・弾はエラスティックバンドによる固定で取り出しやすさ抜群。
また匍匐時などに袖部分が下にずれないようフィンガーストッパーも付けます。
実用性重視のギリースーツです。
海兵隊ケミーパンツ
続きまして紹介するのはケミーのパンツ。では見てみましょう。
まずは臀部の通気性を良くするためにメッシュ生地に張り替え。汗をかきやすい部分はメッシュ生地に張り替えることで通気性を良くし、長時間任務を想定。
臀部側は上着と同様、ジュート等を取り付けられるようコードを縫い付けます。隊員の希望によりコード幅や正方形・ひし形状にして製作しております。
上の画像はドラッグハンドル。付ける利点は
・匍匐する際、ライフルケースをカラビナなどで引っ掛けるため。
ライフルを手持ちしながらの移動は効率が悪く且つ動きにくいため考案されました。
ドラッグハンドル部分は何度も縫い付け強度を高めます。
またベルトループフロントに2箇所・後方部分に3箇所、新規でベルトループを作りDリングを通すことでY・Hサスペンダーを使用することができます。
海兵隊ブーニーハット
ブーニーハットのカスタムは兵隊にそれぞれありますが主要なカスタムを紹介していきます。
このブーニーはツバ部分を短くカット・頭頂部メッシュ加工し後方部分にメッシュを直接縫い込んでいます。
視界の確保と狙撃時ブーニーを前後逆につけることでカモフラージュできます。また頭頂部は蒸れにくく長時間任務にも対応できますね。
またこの画像のようにツバ部分のカット・頭頂部メッシュ加工のみのパターンも多いです。
共通して言えるのが【視界の確保・通気性】
隠れる必要がある場合はコードを編み込んだり後部にメッシュを取り付けます。
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オードナンス製ギリースーツ
オードナンスではカスタム以外にもオリジナルのギリースーツを製作しておりスナイパー隊員からの評価も非常に高いです。現在販売しているのはHABU GHILLE SUIT SHORTのみですが今後の販売予定のギリーも合わせて紹介していきます!
HABU GHILLIE SUIT SHORT
HABU GHILLIE SUIT SHORTの最大の特徴はワイド設計。
様々な装備を付けた上からでも着用できることで煩わしさを解消。シルエット隠しに最適な作りとなっています。
使用している生地がメッシュ生地なので通気性抜群、長時間狙撃・偵察に向いています。
※販売用ギリーにはジュート類は付属しません
ガンギリー
オードナンスガンギリー最大の特徴はベリクロ分離調整可能式。スナイパーライフルを使用する際、スコープ位置調整やバイポッド周りなどにも気を使えるように設計。
このようにベルクロで調整可能。場所や使用するライフルによって位置調整し自分なりにカットしたり継ぎ足しすることも可能。
またバイポッド部分を固定するためにバンジーコードで固定可能。
スコープ部分もベルクロで自身の好きな位置に調整できます。
【関連記事】
スナイパーサンドサックの狙撃時使用方法・内部構造や実用事例紹介。
オードナンスギリーギャラリー
地域にもよりますが一度現地の沼地でケミーを浸し汚すことで偽装することもあります。右側の写真がその汚したあとのケミーです。
まとめ
オードナンスで製作しているカスタムギリー・オリジナルギリーを紹介しました。
シチュエーションによって変化するギリースーツ。非常に興味深くその魅力は計り知れません。
オードナンスギリーは実戦の際にうまく対応できるための工夫が細部まであります。それは海兵隊員からの生の声を多数聞き、カスタム・商品製作に落とし込んでいるからこそできること。とてもやりがいがあります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。